Japanese
English
特集 術後困難症の処置
虫垂炎手術後の腹痛
Treatment for abdominal pain after appendectomy
西島 早見
1
,
伊槻 敏信
1
Hayami NISHIJIMA
1
1徳烏大学医学部第1外科
pp.325-333
発行日 1968年3月20日
Published Date 1968/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204535
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はじめに
虫垂炎はわれわれ外科医にとつて日常最も多く遭遇する疾患で,治療的には虫垂切除術が卓効を示す.外科の進歩,とくに化学療法の発達,麻酔の進歩,輸液療法の普及化などとあいまつて,今日虫垂切除術は最も容易で安全な開腹術として広く行なわれつつあり,日本全国における虫垂切除例数はおびただしい数にのぼつているものと思われる.その反面,多数の症例のうちには術後合併症や後遺症のために医療を必要とするものや再開腹術を必要とする症例は決して少なくない.外科医は常に反省しつつ,手術に際しては細心にして周到綿密な注意が必要である.
従来われわれは腹膜癒着の問題を中心にして各種開腹術後の困難症について検討を加えてきたが,ここには主として虫垂術後障害のうち,とくに腹痛を呈する疾患について検討を加えたい.
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