Japanese
English
特集 皮膚切開法と到達法・Ⅱ
直腸癌の手術
Operation for rectal cancer;skin incision and its approach
安富 正幸
1
,
村井 紳浩
1
,
進藤 勝久
1
Masayuki YASUTOMI
1
1大阪大学医学部第2外科
pp.907-913
発行日 1972年7月20日
Published Date 1972/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205637
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はじめに
直腸は消化管の下端約15cmを占めており,上方はS状結腸に続くとともに,下方は2〜3cmの肛門管を経て体外に開口している.第2仙椎下縁より歯状線までの範囲が解剖学的な直腸であるが,実際にはS状結腸との移行部であるrectosig-moid(仙骨岬より第2仙椎まで)をも含めて直腸と呼んでいるようである(第1図).従つて直腸癌といつても,rectosigmoidや骨盤部直腸に発生した癌は腹膜に被われた腹腔内臓器の癌であるし,腹膜反転以下の癌とくに肛門に近い直腸癌は腹腔外の癌であるばかりでなく,肛門より容易に指で触れることさえできる.このように同じ直腸癌でも解剖学的にはかなりの違つた部分から成つているので,その手術術式もFaget(1739)1)以来今日まで極めて多くの術式が報告されている.今回は皮膚切開と到達法という観点からこれらの手術術式に検討を加えてみたい.
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