Japanese
English
特集 黄疸の外科
黄疸の診断
The diagnosis of jaundice
小坂 淳夫
1
Kiyoo KOSAKA
1
1岡山大学医学部第1内科
pp.297-301
発行日 1972年3月20日
Published Date 1972/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205557
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
黄疸は皮膚または粘膜がビリルビンにより黄染した状態をいうが,厳密には血液中のビリルビン量を測定(通常は血清中の含量)することにより,正常値閾を上廻つた状態(過ビリルビン血症,Hy-perbilirubinemia)にあることを確かめ,皮膚や粘膜が黄染していれば顕性黄疸,黄染のみられない場合は潜在性黄疸と呼んでいる.
ところで血中ビリルビンは間接型と直接型に分けられ,前者はビリルビンそのものの化学構造を持ち,後者はその抱合型(主としてglucuron酸の抱合)で,間接型ビリルビンは肝細胞にとり込まれ,その小胞体(滑面小胞体)に含まれる酵素(glucuronyl transferase)の作用により直接型に転換されて,胆毛細管に排泄される.そこで,まず黄疸を主として間接ビリルビンの血中増加にもとづく場合と,直接ビリルビンの増加に基づく場合とに分けて,疾病を分類し,診断の役立てに利用してみたい.
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.