特集 ちょっと気になる新生児―お母さんの不安に答える
全身の異常
黄疸
岩谷 壮太
1
,
西牧 良
1
IWATANI Sota
1
,
NISHIMAKI Ryo
1
1兵庫県立こども病院周産期医療センター新生児内科
pp.376-379
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000002094
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はじめに
新生児期における黄疸は,生後1週間までに生理的な現象として観察されることが多い。黄疸は,血中ビリルビン濃度の上昇に伴い,眼球結膜や全身に黄染が表れる状態であり,ビリルビンの過剰産生や排出障害に起因する。特に日本人を含む黄色人種は生理的に顕著に表れる傾向がある。多くの場合,この生理的黄疸は自然消退するが,一定の閾値を超えた場合には病的黄疸とされ,治療が必要となる。新生児黄疸は一般的に認められる疾患であるが,その発症には母乳栄養が関連すること,また退院後も症状が持続する場合があることから,家族が強い不安を抱く要因となりうる。

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