Japanese
English
特集 胃癌根治手術の問題点
Ⅱ.胃癌拡大根治手術の限界について
横行結腸への浸潤に対する合併切除の意義
Evaluation of the combined resection of the invaded transverse colon af a radical operation for gastric cancer
三輪 潔
1
Kiyoshi MIWA
1
1国立がんセンター外科
pp.1881-1884
発行日 1971年12月20日
Published Date 1971/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205498
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
胃の後壁に発生した胃癌は,その解剖学的理由から,かなりの進行例に対しても,合併切除を加えた適切な手術によつて,根治が期待できることがあるとされている.というのは,胃の後壁,大小網,膵前面ならびに横行結腸間膜などによつてつくられている空間すなわち網嚢(Bursa omen-talis)は,肝十二指腸靱帯の後でウインスロー氏孔(Foramen Winslowi)によつてのみ腹腔と交通しているに過ぎないために,漿膜に顔をだした癌細胞が腹腔全域にこぼれ落ちることなく,この網嚢内にとどまつている可能性が強いからである.この意味から,横行結腸さらには膵脾を含めた合併切除のもつ意義はきわめて大きいといわねばならない.
そこで,国立がんセンターで横行結腸の合併切除の行なわれた胃癌症例をもとに,この手術の安全度を含め,その意義と適応について検討を加えてみた.
Copyright © 1971, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.