Japanese
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最近の麻酔
新生児の麻酔と管理
Anesthesia for infant
緒方 博丸
1
Hiromaru OGATA
1
1日本大学医学部麻酔科
pp.1491-1497
発行日 1971年9月20日
Published Date 1971/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205446
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生後20日間内の新生児で手術を必要とする場合は,緊急性を要するものが多い.たとえば,鎖肛,横隔膜ヘルニア,食道閉鎖,腸閉塞,Onp-halocele,Meningocele,胃穿孔などがある.術前処置はおのおのの疾患に応じて行なうべきであるが,共通して注意すべきことは,静脈切開を行ない,輸液を確保することである.そして脱水が起こらないように気をつけなければいけない.脱水状態のまま手術にもつていくと予後は非常に悪い.輸液の量は,尿が出るまでは10ml/kg/hr.を点滴し,尿が1ml/kg/hr.の量まで排出するようになつたら50ml/kg/dayの割合で輸液する.だいたい新生児で手術を受けるのは未熟児が多い.未熟児の場合は40ml/kg/dayの割合であると,ほぼ2ml/kg/hr.になる.輸液に何を使用するかは,患者のその時の電解質および膠質浸透圧によるが,ほぼこれらが正常と思われる時は,ソリターT3を使用する.ソリターT3は等張液で維持液として使用される溶液である.
また,新生児はincubatorに入れておかなくてはいけない.incubatorの中には給湿されたO2を送る.この時の湿度は100%でなくてはいけない.100%とはincubatorの内壁が露でくもつている時の状態をいう.
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