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特集 緊急手術後の合併症・Ⅱ
不整脈・高血圧・冠不全患者の緊急手術における麻酔と術後管理
Anesthesia and postoperative management of emergency surgery for hypertensive, arrhythmic and coronary insufficient patients
岡田 和夫
1
Kazuo OKADA
1
1東京大学医学部麻酔科
pp.415-425
発行日 1971年3月20日
Published Date 1971/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205322
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はじめに
緊急手術患者が既往として高血圧,動脈硬化,不整脈,冠不全を持つている揚合,外科医,麻酔医は術前,術中,術後を安全に過すような努力がなされている.近年,高齢者が増し,手術適応も拡がり従来では手術対照にならぬような前述の患者もわれわれの麻酔や手術範囲に入つて来た.手術はスムースに実施されたにもかかわらず術後に既往の心,循環系疾患が原因で死亡するのでは,手術適応の拡大の意義に反する.術後の管理でhypoxia,hypercapneaという呼吸面への対策,電解質バランス,体液,酸塩基平衡面への配慮が重視されているが,これらの因子は同時に心機能に重大な影響をもつものであるから,心機能自身の管理のみでなく,これら諸因子の管理の重要性はこの面からも理解できる.ここでは主に不整脈,高血圧,冠不全のある患者の術前より術後にわたる管理法,術中の不整脈発生などにつき対処の仕方を述べることにする.
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