Japanese
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講座・2
腹部外科と動脈撮影—Ⅱ.肝癌造影像の多様性とその臨床的意義
Abdominal surgery and selective arteriography Ⅱ.Clinical significance of multiplicity of tumor vascularity in human liver
鈴木 敬
1
,
川部 克己
1
Takashi SUZUKI
1
1京都大学医学部第1外科
pp.331-343
発行日 1971年2月20日
Published Date 1971/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205314
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前回においては,肝動脈の解剖学的変異について,外科的視点よりまとめたが,今回より疾患単位にその動脈撮影像を考えてみたい.
腹部臓器の中でも,管腔性臓器の病変の把握は,最近のファイバー結腸鏡やファイバー十二指腸鏡などの開発により,ほとんど余すところなく及んだの感が深い,その結果,実質性臓器の腫瘍は,一向に治癒成績の向上をみないまま,ますますとり残されていくようである.なかでも,膵臓癌や肝臓癌は年々増加の傾向をみせつつも,その長期生存例は本邦ではまだ10指を屈するに至つていないといつた現状で,これら疾患の診断および治療上における動脈撮影の意義については,十分に考察をめぐらす必要があろう.そこで今回と次回の2回にわたり,とくに肝癌と膵癌をとりあげ,動脈造影との関連において,われわれの得た知見を述べてみたい.
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