Japanese
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講座・3
腹部外科と動脈撮影—Ⅲ.膵疾患,ことに影像よりみた膵癌の予後
Abdominal surgery and selective arteriography Ⅲ. Correlation between angiographic findings and survival in patients with cancer of the pancreas
鈴木 敞
1
,
川部 克己
1
Takashi SUZUKI
1
1京都大学医学部第1外科
pp.499-507
発行日 1971年3月20日
Published Date 1971/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205331
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はじめに
早期診断のむずかしさ,憂慮すべき遠隔成績,切除術式の煩雑さなどからみると,膵癌も前回でふれた肝癌と軌を一にしている.それだけに動脈撮影の膵疾患の診断および治療上における役割は無視できぬものがある.
膵癌のときに示される動脈撮影像については本邦ではすでに田坂1)2)らをはじめ諸氏により十分に特徴づけられた.本稿ではこの動脈撮影法の更に一歩すすめた形での臨床的応用をはかるべく,撮影により示される膵動脈枝を膵内分枝,膵密接分枝,膵周辺分枝に3分し,それぞれの浸潤性変化によって示される病巣の拡がりに応じて,膵癌を4群に分類,各群の切除率や予後との関連を検討した.また膵癌初期診断の可能性やその血管構築に言及し,膵疾患診断における動脈撮影法の価値を他の診断技法と比較検討してみた.その結果,動脈撮影は単に膵疾患の診断のみならず,膵癌の手術適応や予後判定の上にも多くの知見を与えていることが判明した.
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