Japanese
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講座・1【新連載】
腹部外科と動脈撮影—Ⅰ.外科的にみた動脈変異
Abdominal surgery and selective arteriography:1. Surgical significance of anatomical variations of the abdominal artery
鈴木 敞
1
,
川部 克己
1
Takashi SUZUKI
1
1京都大学医学部第1外科
pp.181-189
発行日 1971年1月20日
Published Date 1971/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205298
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はじめに
血管の走行や分枝の変異に関する研究は,もつぱら解剖学者の手にゆだねられてきた分野であつた.足立1)やMichels2)による古い著書が,手術にたずさわる外科医にとつて,しばしばバイブル的な役割を果してきたことは周知のごとくであるが,とくに近年悪性腫瘍に対する拡大根治手術や動脈内薬剤注入法が普及するにつれ,動脈変異の問題は外科的に一層密接な課題となつてきた.
一方,最近の大動脈分枝の選択的造影法の普及は,今までアトラスの上での存在でしかなかつたこれら動脈の全貌をフィルム上にきわめて明解に描出することを可能とした、本法により,各症例ごとに,術前に血管の走行を容易に把握できるようになつたことの意義は,はかりしれないものがあろう.
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