Japanese
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特集 輸液の臨床
脳外科手術と輸液
Postoperative fluid therapy in neurological surery
坪川 孝志
1
Takashi TSUBOKAWA
1
1日大医学部脳神経外科
pp.1675-1682
発行日 1970年11月20日
Published Date 1970/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205246
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はじめに
脳外科の手術後における水分,無機物質ならびにその他の物質代謝の変動は,一股手術の際にみられる変動(Moore 1952)と基本的には同一傾向を示すとされてきた(Wise 1956, 1959, McLaurinら1960).つまり手術直後は水分とNaの貯溜,K排出がみられ,体蛋白が崩壊し,負の窒素平衡に陥る.このCatabolic phaseからAnabolic phaseに手術後2〜3日目頃に移行し,次第に諸代謝は正常化へむかうのである.したがつて,脳手術後の輸液は,この代謝異常による欠損の補充と,生体の維持量を投与していく方針をとれば良いことになる.
しかし,実際には,脳手術後の代謝面での変動ならびに輸液による損傷脳の反応にもいくつか特異な面があるので,それに対処しなければならない.その特異点をまとめると,以下の7項目に総括することができる.
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