Japanese
English
特集 輸液の臨床
小児外科手術と輸液
Fluid therapy in pediatric surgery
沢口 重徳
1
,
中条 俊夫
1
,
堀 隆
1
,
太田 裕彦
1
,
吉成 道夫
1
Shigenori SAWAGUCHI
1
1国立小児病院外科
pp.1685-1691
発行日 1970年11月20日
Published Date 1970/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205247
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はじめに
近年における小児外科の急速な進歩は術前,術中,術後にわたる患者管理の進歩によるところが大きい.輸液はその中でも極めて重要なもので,小児外科臨床における不可欠の治療法である.
輸液は体液異常の予防および治療を目的として水分電解質など体液成分を非経口的に投与する治療法であつて,今日ではその内容によつて次のごとく3つに区別して考えられているが,これは合理的でありまた大切なことである.第1は発病後輸液開始までの体液喪失を補う輸液(欠乏に対する輸液deficit therapy),第2は輸液期間における生理的維持必要量を補給する輸液(維持輸液maintenance therapy),第3は輸液期間における嘔吐,排液,胃腸液吸引などによる異常な体液喪失を補う輸液(異常喪失に対する輸液abnormalloss therapy)であり,実際の輸液はこれら3者の総和として理解される.
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