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特集 輸液の臨床
経中心静脈高張高カロリー輸液法
Total parentral nutrition
葛西 森夫
1
,
佐野 奠
1
,
小野寺 時夫
1
Morio KASAI
1
1東北大学医学部第二外科
pp.1639-1646
発行日 1970年11月20日
Published Date 1970/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205242
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はじめに
中心静脈中への高張高カロリー輸液の注入法がDudrickおよびWilmoreによつて紹介されて以来,長期完全経中心静脈栄養法は経腸的栄養法が不能あるいは不足する患者に対して,多大の福音を与えられるようになつた1)−6).
従来経静脈的に高カロリーを与えるために数多くの研究がなされ,アミノ酸液や脂肪乳剤の開発が行なわれたが,生体が必要とする熱量40〜50cal/kg/dayを補なうためには,水分の過剰投与を余儀なくされ,過水症による生命の危険を考えると,実際には不可能であつた.これに対し経中心静脈栄養法は,生体に必要な熱量はもちろん,ビケミンや無機質全てを投与して,これのみで小児を発育成長させ,成人の栄養を維持・改善することが可能である.しかしながらこのような利点の反面, ①高張輸液を行なうことにより滲透圧利尿がおこる危険を常に秘めていること.
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