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特集 手術と出血対策Ⅱ
虫垂炎手術における出血対策
Management of hemorrhage during surgery for appendicitis
村上 文夫
1
Fumio MURAKAMI
1
1大阪大学医学部第二外科教室
pp.353-358
発行日 1970年3月20日
Published Date 1970/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205057
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はじめに
虫垂切除は,きわめて施行頻度の高い手術の1つであるが,ともすれば容易な手術として比較的初歩の外科医にゆだねられ,しかも小人数のスタッフにより昼夜を問わずおこなわれることが多い,という特色をもつている.しかしながら虫垂炎の病像はまことに多彩であつて,ときには初心者はおろか熟練者でも手を焼くような事態に遭遇することもあり,また術中術後における合併症の発生頻度が,想像するほど低率ではない.本稿では,虫垂炎手術時におこり得べき出血の防止ならびに止血対策について略述し,いささかなりとも少壮医家の御参考に供したいと思う.順序として,開腹・虫垂切除・閉腹という一連の操作の間に,出血の危険が顧慮される部分を指摘し,その防止あるいは止血対策について述べる.
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