視座
認定医制度発足に望む
上村 正吉
1
1昭和大学整形外科
pp.3
発行日 1983年1月25日
Published Date 1983/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408906660
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昨年の第55回日本整形外科学会総会で長年懸案となっていた日整会認定医制度とその規約も承認されて,中央ならびに地区資格認定委員会も活動を開始した.第1回の認定では経過措置による認定医が今年3月の理事会で決定され,また同時に研修施設の認定も行って今後の研修医の研修に空白を作らないように配慮されている.誠に時宜をえた計画と敬意を表するものである.ところでこの制度が発案されて今日に至るまでには紆余曲折があったことは日整会員で知らぬ者はないはずである.従ってこの制度の創設の是非は既に多く論ぜられての総会議決であるのでここで論ずるつもりはない.しかしいよいよ認定医が決定し認定医制度が歩み始めると,また多くの問題が浮上してくるであろう危惧はなしといえない.その二,三について触れてみる.
この制度の目的は整形外科の進歩に即応して整形外科医の学識ならびに技術の向上を図り整形外科医療の向上に資しもって人類福祉に貢献するとある.認定医となられる方々は恐らくこの目的に向って努力されるであろう.そうなると認定医の社会的評価は高まるであろうが,現今の評価はすべて金という世の中である.
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