Japanese
English
論説
血管拡張剤と末梢血管疾患
Vasodilating agents in the treatment of peripheral vascular disorders
神谷 喜作
1
,
小野木 宏
1
,
山下 富美夫
1
,
城所 仁
1
,
竹内 忠孝
1
,
浅井 忠亮
1
Kisaku KAMIYA
1
1名古屋大学医学部第一外科
pp.1535-1539
発行日 1969年11月20日
Published Date 1969/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204979
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はじめに
末梢血管に対する,血管拡張剤使用の目的は,血行障害を起した原因を取除くことよりは,むしろ,血管の攣縮を緩和したり,副血行を形成する血管を拡張せしめることにより,血流を改善して,組織への血流を増加せしめ,血行障害によつて起る各種の症状を軽減せしめることを目的とするものである.
ここでは,末梢血管疾患として,動脈の閉塞性疾患である,閉塞性動脈硬化症,バージャー病,機能的疾患として,レイノー病,レイノー症候群を考え,冠状動脈,脳の血管に対する作用を,主目標とするものや,降圧剤としての血管拡張剤は,考えないことにする.従来より用いられている血管拡張剤で主なものおよび最近新しく開発されたものについて,主として薬理学的見地から,その作用機序に検討を加え,これを分類し,末梢血管疾患における,血管拡張剤使用の問題点に,触れてみたいと思う.
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