Japanese
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特集 消化器疾患の新しい診断法
門脈造影
Portal venography for portal hypertension
井口 潔
1
,
小林 迪夫
1
,
朔 元則
1
Kiyoshi INOKUCHI
1
1九州大学医学部井口外科教室
pp.327-334
発行日 1969年3月20日
Published Date 1969/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204809
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はじめに
肝脾疾患の診断にあたり,レントゲンによる検索の重要なことは今さらいうまでもない事であるが,なかでも門脈圧亢進症の診断と治療にあたつては,門脈本幹の閉塞の有無,肝内門脈枝の状態,あるいは肝外副血行路の発現様式等を詳細に検討する必要があり,門脈造影法は必要欠くべからざる検査法となっている.従つて,Moore1)が1951年,上腸間膜静脈の一枝より,次いで,Abeatici&Campi2)が経脾的に門脈造影を行なうことに成功して以来,門脈造影法は門脈圧亢進症の診断法として広く用いられ,その有効なことが認められている.
われわれも,門脈圧亢進症の手術に際し,術中開腹下に,腸間膜静脈ならびに脾臓より造影剤を同時に注入する経脾経腸問膜静脈同時的門脈造影法を行なっている.ここにわれわれの門脈造影施行例200例について,検討を加え,その外科治療上,留意すべき所見について申し述べる.
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