Japanese
English
論説
外科補液に関する研究
Studies on replacement of fluid in surgical clinic
山本 孝
1
,
飯島 登
1
,
青山 俊英
1
,
大西 英胤
2
,
中島 弘之
2
Takashi YAMAMOTO
1
1東京大学医科学研究所外科
2国立大蔵病院
pp.97-102
発行日 1969年1月20日
Published Date 1969/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204781
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はじめに
外科臨床における補液治療に関して,近年細胞外液の変動とその是正が重視されてきた.例えばShires1)2)一派はradiosulfate dilution curveを用いて,出血ショックに陥つた動物や,術中,術後の患者では,細胞外液が著しく減少することを報じ,またDillon3)等は,このさい乳酸加リンゲル溶液,あるいはisotonicな生理的食塩水を少量の血液と共に返還すると,その生存期間を延長せしめ得ることを示した.
骨髄性白血病患者の1例がHt値0%,Hb 2.3gm%のまま2時間も意識正常のまま生存し得た報告は4),無赤血球性補液が内在性酸素を可及的に利用せしめ,ある範囲内のショックに対しては治療となり得ることを示唆するものと考える.
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