Nursing Study・11
小児に於ける脱水症—補液を中心として
江口 篤寿
1
,
常葉 恵子
1
1国際聖ルカ病院
pp.207-214
発行日 1956年10月15日
Published Date 1956/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910221
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I.はじめに
小児に於ける脱水症といえば,下痢,嘔吐を主症状とする腸管内感染症又は腸管外感染より二次的に起つた腸管系疾患を考えがちであるが,単に上記症状を呈する疾患だけでなく,水分の十分な摂取が不能な場合,及び水並びに電解質の異常な喪失を起すようなあらゆる場合にみられる。即ち,高熱,消化不良症,疫痢,自家中毒症,幽門痙攣,腸閉塞症の如き疾患,未熟児,火傷,その他外科手術の後,或いは副腎皮質機能障碍時にもみられる。こゝに本質的には全く異つた疾病であるが脱水症に対する処置に成功した2例を挙げ,これを中心に脱水と補液に就て述べる。
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