Japanese
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特集 手と足の外傷
形成外科の立場から初療に希む
Advise from the plastic surgery standpoint
伊藤 盈爾
1
ITÔ Eiji
1
1慶応義塾大学医学部形成外科学教室
pp.1028-1032
発行日 1968年6月20日
Published Date 1968/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204631
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はじめに
形成外科の立場から,手,足の外傷の治療をながめても,特に異なつた点があるわけではない.形成外科は形態異常を主な対象とするとはいうものの,大切な機能を無視してまで,形のみの再建に走るわけでは決してなく,一方,整形外科,外科においても,機能の回復に成功しさえすれば,醜形には無関心でよいというわけでもない.帰するところは同一であり,機能も形態もできるだけ改善するのが理想であることはいうまでもない.
しかしわが国では,生命,機能の維持,回復を目的とする医学の発達に比し,形態異常,醜形に対する関心は,いわゆる先進国といわれる国々に比して,かなり少なかつたことは否定できず,わずかの注意と努力,技術の向上で,当然防ぎうる醜形さえも,当然の後貽症として省みられない傾向にある.
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