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特集 木本誠二教授退官記念特集
カプセルによる消化管検査
Clinical Use of Capsule in Digestive Tract
綿貫 喆
1
Tetsu WATANUKI
1
1東京慈恵会医科大学第1外科
pp.800-811
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204604
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はじめに
医学と工学とは,元来べつべつのみちを歩いて発展してきたものであるが,医学が近代化するにつれて医学以外の領域からの協力が望まれる研究分野が最近発生してきた.こうして医学と工学との間のいわば境界領域の学問が起こり,その代表的なものが医用電子(ME)である.わが国においては昭和37年11月12日日本ME学会が誕生し,そののちは医学の各方面でMEの研究がさかんになったが,MEが健全に発展するためには医学者と工学者との緊密な協力が望ましい.MEの一分野としてテレメータリングの技術があるが,このテレメータリングを応用すると,生体においてできるだけ無拘束,より生理的な状態,さらにある種の負荷の状態のもとに,生体内の諸情報を計測することが可能となる.これは従来の検査法にない大きな長所といえる.
生体内部に小形の無線情報発信機を入れ,適当なトランスデユーサーを介して生体内の情報を電気的シゲナルに変換し,これを無線で外部に送つて生体外部の受信機でキャッチするテレメータ装置が,ここで述べるいわゆるカプセルである.このテレメータ装置は,1957年6月スエーデンからJacobson&Mackay14)22)により初めて発表され,そののちアメリカ,東ドイツ,西ドイツ,イギリス,フランス,イタリーなどから相次いで報告があらわれた.わが国では1960年内山ら86)が外国のものとは異なった独特の方式(エコー・カプセル)を発表した.
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