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特集 木本誠二教授退官記念特集
担癌宿主の抗腫瘍性反応
Host Resistance to Tumor Invasion
卜部 美代志
1
Miyoshi URABE
1
1金沢大学医学部第1外科
pp.730-744
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204597
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はじめに
腫瘍の特異抗原の同定は現在なお十分でないが,腫瘍の増殖についてantigenic loss,あるいは,antigenicsimplificationの考え方を適用する人もある.腫瘍の増殖は宿主抵抗の減弱に伴つて宿主の免疫学的監視機構を逸脱し寛容状態を誘導した結果であるとも解釈されている.
癌巣周辺における間質反応は癌に対する宿主の防衛反応の局所的な形態学的表示であるとみなされる.そこで,腫瘍——宿主相抗の現象として間質反応を観察し,間質反応に参集する細胞群の性格,ないし,機能を把握することは重要である.そして,host-tumor relationshipを解明する出発点としてこの間質反応をcellular level,あるいは,subcellular levelで免疫学的に多角的に解析することも甚だ有意義であるといえる.
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