Japanese
English
論説
乳癌の病期分類についての提案
An proposal to the clinical classification of the breast cancer
島田 信勝
1
,
天晶 武雄
1
,
榎本 耕治
1
,
嶋田 貞博
1
Nobukatsu SHIMADA
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.671-676
発行日 1967年5月20日
Published Date 1967/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204304
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はじめに
乳癌治療の歴史は一世紀をこえ,治療成績に関連して数多くの病期分類がなされてきた.しかしながら,どの分類をみても一長一短があり,特に,リンパ節転移の項目に関する臨床的各病期分類が,必ずしも乳癌の予後に予測を与えないことは,乳癌研究の面にたずさわる諸学者の一様に悩みとするところであろう.臨床的に個々の乳癌を幾つかの病期に分類しても,必ずしも検査室の成績に一致しないし,検査室の成績にもとづいて分類を行なつても,その症例については,前もつて治療を決定するためのなんらの示唆も与えてはもらえない.なんとなれば,病理的な成績はすでに治療された症例に関するDataであるからである.そこで,われわれは各病期分類をこみ入つた幾つかの段階に分けることをやめて,一応,進行期乳癌,非進行期乳癌および早期乳癌の3つに分け,このように分類することの妥当性,非妥当性について論じてみたい.
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