臨床メモ
頭頸部外傷後の表在性頭痛とその治療
宮崎 雄二
1
1札幌医科大学脳神経外科
pp.631
発行日 1967年5月20日
Published Date 1967/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204299
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近年の交通・産業災害の増加にともない,頭頸部外傷も激増し,これに平行して外傷後に各種愁訴を訴える患者も著しく増加してきている.筆者は,年間3000余人にのぼるこれら患者の診療に従事してきているが,この経験によれば,それらの愁訴のうち,いわゆる不定愁訴とすべきものは案外に少なく,Somaticな原因を明らかにしうることがしばしばである.
頭頸部外傷後の愁訴の中でも頭痛は最も多く訴えられるものであるが,これについては充分な問診を行なうことが重要であり,特に頭痛の性質が重要で,搏動性か,表在性であるか,一定部位にのみ発生するか,他部位へ放散するか,拡大するか,などについて執拗に問診して頭痛の性質を分析することが重要である.
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