診断のポイント
末梢静脈圧と中心静脈圧の測定
三浦 勇
1
1東京女子医大・心研
pp.1472-1474
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203828
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静脈圧測定の意義
近年,外科内科領域を問わず,循環系の状態,とくに循環血液量を大まかに把握するための簡単な手段として,静脈圧測定が広く行なわれている.
静脈圧はいうまでもなく,静脈系の容量とそれを満たす血液量との相対関係によって定まる.したがって,静脈圧からまず循環血液量の多寡を知ることができる.次に静脈圧は,動脈系の状態によって後方からの影響を受ける.たとえば人工心肺の送血流量を増すとき,動脈圧とともに静脈圧は上昇するが,体外循環のような状況下では,心迫出量を反映する.第3に,前方の位置する心臓の機能によって影響されることが明らかである.右心または両心不全,心臓タンポナーデなどは,静脈圧を上昇させる方向に作用する.とくに心臓タンポナーデでは,ショック症状を伴う静脈圧上昇の所見がしばしば診断の決め手となる.
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