臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
III.循環器系疾患の診断技術
2.中心静脈圧
上田 慶二
1
1東京都養育院付属病院循環器科
pp.1678-1679
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206869
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測定の原理と意義
右心房に近接する胸腔内の大静脈(上大静脈と下大静脈,さらに両側鎖骨下静脈をも含めた範囲の静脈系)の内圧を中心静脈圧(central venous pressure)と呼び,これらの静脈内にまで進めたカテーテルにより測定する.
中心静脈圧測定の目的は,右心系の充満圧(filling pressure)として重要な右房内圧を推定するにあり,その測定の意義は右房圧測定と同意義に解することができる.中心静脈圧(≒右房平均内圧)は三尖弁が正常に機能し,かつ胸腔内圧と心外膜腔内圧の正常な状態においては右心室の収縮能と拡張期コンプライアンスにより決まる右心室拡張終期圧(RVEDP)を反映するとともに,循環血液量による影響を受ける.
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