他科の知識 顔面形成の基本手技・3
立体の手術
丹下 一郎
1
1順天堂大学形成外科
pp.1434-1438
発行日 1966年10月20日
Published Date 1966/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204127
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
厳密にいえば,手術というものはすべての場合に立体的であり,3次元的な拡がりを有する.しかし,ここでとくに「立体の手術」を区別する理由は,内臓手術のように「立体で」手術を行なうのと異なり,顔面を「立体に」手術するからである.そのように能動的な立体造形のためには,顔面の構成についての美術解剖学的な知識が必要であり,この種の手術は,いわば,形成外科における極意ともいえるのである.
もちろん,通常の意味での医学的知識や技術は根底として必要なものであり,ことに軟骨,皮膚などの造形素材を駆使するために欠くことができない.しかし,同時に決め手となるのが顔面各部の均衡,比例,あるいはそれに関連する審美的,ないし心理的問題なのである.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.