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手術顕微鏡立体テレビ装置
黒木 秀尚
1
,
堀田 恵司
1
,
生田 義和
1
1広島大学医学部整形外科学教室
pp.856
発行日 1988年9月1日
Published Date 1988/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922077
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1960年にJacobsonが血管縫合に手術用顕微鏡を初めて導入し,外科手術に画期的な展開をもたらして既に28年が経過した.当時のマイクロサージャリー(微小外科)の対象は直径3mmの血管であったが,その後の先人の努力,手術器械の進歩・発展により,1970年代から80年代にかけて直径0.5-1.0mmの血管は日常的な手術対象となり,特別な手術とは考えられなくなった.またこれらの技術を駆使した臨床応用の拡大も,切断指・肢再接着は言うに及ばず,皮膚,筋肉,神経,骨組織を含めた複合組織移植が隆盛を極めている.
このように,直径3mmから0.5mmまでの血管縫合技術は比較的スムーズに進歩してきたのだが,現在使用できる手術用顕微鏡,手術器械,10-0〜11-0針付ナイロン糸を用いての手縫い法ではここまでが限度である.もしそれ以下の直径の血管縫合が成功したとしても,それはまれでしかない.
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