読影のポイント
脳波の読み方(5)
善多村 孝一
1
1東京大学医学部脳神経外科
pp.646-649
発行日 1966年5月20日
Published Date 1966/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203972
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脳波の賦活activation
脳波記録はまず,患者に眼を閉じさせ,精神的なストレスから解放された安静な状態において行なう.この安静覚醒時の脳波記録は臨床脳波検査の基礎である.しかしながら,多くの場合これのみでは不十分である.とくに,発作的に脳波異常を呈し,その間歇時には異常を呈さないてんかん性疾患の場合には,限られた検査画時間中に発作性異常波に出あわなければ,これを診断することはできない.いつ現われるかわからない異常波の出現を漫然とまつのはいかにも心もとないことであるし,これでは診断の正確を期すことはできない.したがつて,発作波を誘発し記録することが必要である.このように,脳波の賦活は主としててんかん脳波の検査を目的に行なわれる.
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