手術手技 血管外科の手技・1
大動脈を中心として
高橋 雅俊
1
,
工藤 武彦
1
1東京医科大学外科
pp.650-656
発行日 1966年5月20日
Published Date 1966/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203973
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
大動脈疾患のうちで手術の対象となる主なものは大動脈瘤と大動脈縮窄症である.大動脈を切開切断し,あるいは吻合縫着する場合に大動脈壁の物理的強度をまず念頭に入れておかなければならない.すなわち血管は健康な場合でも外力の働く方向によつて耐性が異なり,または引き裂くあるいは圧挫するなどの外力の種類によつても損傷の程度が部位によつて異なつている(第1表).ことに大動脈瘤などで壁の変性が高度な場合にはさらに脆弱性を増加することも見逃すことはできない.
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.