簡易検査法
血清学的簡易検査法(2)
鈴田 達男
1,2
1東京医科大学細菌血清学
2東京医科大学中検血清検査室
pp.634-638
発行日 1966年5月20日
Published Date 1966/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203970
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外科手術のさいに出血傾向の有無をあらかじめ知ることの必要性はいうまでもないが,手術侵襲によつて線維素溶解性紫斑病がおころことも知られており,この検査のためには単なる出血,凝固時間のみでは不十分で,フィブリノーゲンを大まかでもよいから測定しておく必要がある.
このためにもちいられるのが本反応で,やはりラテックス凝集反応を応用した簡易法である(写真1).すなわちあらかじめヒトフィブリノーゲンで動物を免疫して得た抗面青をラテックス粒子に吸着させておき,この試薬と被験血液(全血)の適当な希釈を混合すると,フィブリノーゲンの含有量によつて凝集のあらわれ方がちがうので,おおよその見当をつけることができる,この検査はbedsideまたは手術室でも施行することができ,検査の経験のない人でも指示通りに行なえば正しい結果が得られ,ごく短時間に成績がわかる特長があるので,もつと広範な利用が期待されるが,輸入品であるので高価な点(6検体当り15000円)が欠点である.他のラテックス凝集反応と手技が多少異なつた点もあるので少しくわしく解説する.
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