特集 研究論文
血清学
毛細管を使用する関節リウマチの簡易血清学的検査法/「血清学」講評
小坂 志朗
1
,
沢木 信之
1
,
松橋 直
2
1東北大学医学部,国立鳴子病院内科
2東大医学部血清
pp.789-791
発行日 1966年8月15日
Published Date 1966/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916618
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緒言
従来関節リウマチRheumatoid Arthritisの血清学的診断法には,Waaler-Rose反応1)の名をもって代表される感作血球凝集反応や,血球を使用しないLatexFixation Test2),Bentonite Flocculation Test3)などが行なわれてきた。これらリウマチ因子の証明法は,すでに拙著4)に詳しくのべてあるが理論的におよそ2つの系列に分類できる。一つは家兎免疫血清で感作した羊血球を凝集せしめる方法であり,Waaler-Rose反応がこれに属する。もう一つは入γ-Globulinを血球,Latex粒子,Bentonite粒子,コロジウム粒子などにcoatingせしめ,感作粒子の凝集を観察する方法である。これがいわゆるFⅡ系とよばれるリウマチ因子の検索法であり,代表的なものがLatex Fixation Test,特に簡易スライド法として日常検査に用いられているRA-Testである。
今回日本凍結乾燥研究所より試作品として提供を受けた"ロイアルト"は理論的にはFⅡ系のLatex Fixation Testの簡便法であり,RA-TestのごとくPolystyrene Latexを使用するが,スライド上で凝集の有無を観察するのではなくCRP検査と同様毛細管によりリウマチ因子を量的に判定する方法である。
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