Pain clinic・2
顔面痛(1)
西邑 信男
1
,
木内 実
1
,
久場 襄
1
1日本医科大学麻酔科
pp.1085-1088
発行日 1965年8月20日
Published Date 1965/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203712
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顔面とその周囲の痛みはpain clinicにおいて,もつとも治療の対象となるものの一つである.一般に,顔面痛はみな三叉神経痛と素人も考え,また,多くの医師が三叉神経痛として診断し,治療しているのが特徴である.実際的に言えば,これらの部位の神経痛には第1表のごとく,多くの種類の疾患が含まれるのである.前に述べた,顔面痙攣に疼痛を伴う場合もやはりTrigemi-nal Neuralgiaと誤つて見られ治療されることがある.これらの神経痛をいかなる方法でわけるかはむずかしい所であるが,臨床的にはtrue Neuralgiaと,atypicalNeuralgiaに分けた方が便利である.true Neuralgiaとは疼痛が一つもしくはそれ以上の神経の走行,もしくは神経枝の走行にあらわれる状態を言うのであり,atypi-cal neuralgiaとは痛みが広範に広がり,神経の分布部位に限定せず,むしろある血管の分布部位に沿つて広がつているような場合である.これらtrue Neuralgiaもこれをさらにprimaryおよびsecondary typeに分けることができる.primary Neuralgiaは原因が不明であり,idiopatic Neuralgiaであり,時期的にあらわれ,非常に短時間であつて,激痛である.
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