実地医家のための診断シリーズ・6
触診法
岩崎 隆
1
1関東逓信病院外科
pp.734-738
発行日 1965年6月20日
Published Date 1965/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203634
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触診というものは,結局はその病変が大部分は既知のどの疾患に含まれるものかを決定する診断の一方法であることを常に銘記しておかねばならない.正常の状態を理解してはじめて異常であることを知り,さらにその異常なものが,はたして病的なものであるか否かを判断するわけで,その基準はその人の知識,経験によるほかはない.
触診は視診だけでははつきりしない病変の性状や,周囲との関係をも知り得る,場合によつては唯一の方法であるのに,一般の診療に際して,ともすればあまり意識せずにただ何んとなく触つていることがないとはいえない.視診とあわせつつ充分な観察に注意を集中しなければならない.
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