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特集 外傷の救急処置
泌尿器外傷の救急処置
Emergency Treatment for Urogenital Injury
西浦 常雄
1
Tsuneo NISHIURA
1
1東京大学医学部附属病院分院泌尿器科
pp.757-761
発行日 1964年6月20日
Published Date 1964/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203350
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はじめに
戦争,天災,交通輻輳,土木建築重工業の発達,スポーツ等の企図の大型化に伴つて,外傷の程度は重篤化する.またその時代の社会事情に応じて,外傷の発生頻度は増減し,外傷の種類も変化する.したがつて外傷の統計的数値はその偶発性と相俟つて刻々と変化する.欧米における外傷の原因は,戦時を除いて,交通事故によるものが首位を占めているのに反し,本邦では工場災害が首位を占めてきていたが,今後は欧米と同様な事情に向うものと思われる.
泌尿器外傷は,その解剖学的位置関係より外傷の中では比較的頻度の低いものであるが,その救急処置の適否によつては種々な重大な合併症を来す可能性が多い.しかも外傷はその偶発性の故に必ずしも泌尿器科専門医の救急処置を受けることができないので,初診医の泌尿器科的原則に基づいた救急処置が要望されることになる.
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