外国文献
巨大Y染色体をもつ睾丸性女性化,他
pp.410-413
発行日 1964年3月20日
Published Date 1964/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203295
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
両親パキスタン人の第5子が4.5カ月で両側鼠径ヘルニアで来院.一見他に奇形・異状なき良き発育,外性器は女性状,両大陰唇やや膨隆(右>左).ために陰嚢様を呈す.膨隆部に碗豆大の睾丸様のものを触れる.鼠径管から中へ押しこむことができる.膣口不明瞭.陰核やや大.外尿道口は陰核下にあり.膣は処女膜を経て深さ約1cm,子宮は検査しえず.17-KS 0.3〜0.5mg/24h,腎盂造影正常.口腔粘膜の細胞に小さいBarr小体を疑わしめる顆粒1.5%の頻度.睾丸様のものを生検法で見るに,実質発育は年齢相応.間質増殖,Leydig細胞に機能像なし.Sertoli細胞は前段階の状態に留まる,白血球培養で染色体46個,性染色体はXYだが,Xは正常で,Yが異常に大きく,akrozentrischで,大体Nr18と19との中間位.その父(43歳)外見正常で,やはりXYをもち,そのYが同じように大である.これがYであることはSatelliteを付していないから,まちがいない.このような大型Y染色体はBender (Lancet 2:463,1961)が正常男子で,van Wijck (Lancet 2:218,1962)が無精子症で3例,Bishop (Lancet 2:18,1962)がモンゴリズムで1例,それぞれ見つけている.睾丸性女性化で大型Yというのは本報が最初であろう.
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.