Japanese
English
検査と診断
Fiberscopeの臨床
Clinical use of the Fiberscope
福井 光寿
1
,
前田 昭二
1
,
比企 能樹
1
,
守谷 孝夫
1
,
東条 慧
1
,
榎本 耕治
1
Teruhisa FUKUI
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.1516-1518
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203218
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あらゆる胃疾患に対する診断法の一つとして,内視鏡による診断法が,すぐれた精度をもつておりその必要性がますます強調されている.その内視鏡として胃カメラが一般に広く用いられているが,胃鏡(軟性・硬性)は胃カメラほど普及はされていない。これ等はそれぞれに特色があり,胃カメラは優秀な記録性をもつているが,何分にも盲目撮影であり,果して目的とするところを適確に把握し得るや否や常に一沫の不安がある.一方胃鏡は胃粘膜の流血状態を動的に繰返し観察し得るという特色があるが,その記録性の点に欠くるところがあり,またいわゆる「観察盲点」が存在し,検査に伴う若干の苦痛があつた.ゆえに,胃粘膜を観察し得て,しかも同時に望むところをフィルムに撮影できる胃鏡の出現に幾多の研究がなされて来た.われわれもさきに,軟性胃鏡の先端にカメラを装着し,胃粘膜を観察しながら,さらに撮影し記録にとどめることのできる「Gastro-Photo-Scope」なるものを考案し,内視鏡学会等に発表してきた.その映像も鮮明で,肉眼所見とよく一致したが観察の盲点は如何ともすることはできなかつた.胃鏡による最大の盲点は幽門洞部小彎であり,これが解消のためにも「桐原式胃鏡」等種々努力が払われてきたが,Scopeの随円形,あるいは直径の増大等の欠点が伴つた.観察盲点がなく,肉眼的に観察し得て而も記録し得る内視鏡は,内視鏡を扱う者の齎しく望むものであつた.
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