綜説
Gastro-Photo-Scopy
島田 信勝
1
,
福井 光寿
1
,
前田 昭二
1
,
湯浅 鐐介
1
,
椎名 栄一
1
,
吉崎 聰
1
,
馬場 正三
1
Nobukatsu SHIMADA
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.377-383
発行日 1961年5月20日
Published Date 1961/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202752
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胃疾患研究の手段として,レ線検査および胃液検査と共に,胃鏡検査は欠くべからざるものとして日増に普及発展しつつあるが,この検査法による胃粘膜像の解釈は観察者個人の主観に左右されることが多く,得られた診断は客観性に乏しく,且つ記録として残し得ない欠点があり,これを補う目的で従来多くの胃粘膜撮影法に関する研究が行われて来た.
LangeおよびMeltzing1)(1898)はゴム・チューブの先端に小型カメラを装置して胃内に挿入し,初めて胃粘膜撮影を試みたが,満足な結果は得られなかつた.その後,Back1)(1929)はGastrophotorと称する軟性ブージーの先端に附したピンポールを利用して,アーチランプを点滅させる撮影装置を考案したが,得られた写真は一枚毎に異り,診断上役立たなかつた.Aschner2)(1930),Schindler3)(1937)もGastrophotorの改良を行つたが結果は不満足なものであつた.Henning4)(1931)は,Schin-dler型硬性胃鏡の接眼部にMirror-Reflex-Cameraを主体とする独自の装置を施し,初めてほぼ満足すべき白黒写真の撮影に成功し,その後,Keil-hack5)(1938)と共に初めて胃内天然色撮影を行つたが,彼等の装置は光源系統の不備から軟性胃鏡には応用できなかつた.
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