外科の焦点
胃鏡か胃カメラか
前田 昭二
1
,
比企 能樹
1
,
守谷 孝夫
1
,
丸山 圭一
1
,
桑野 研司
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.551-555
発行日 1965年5月20日
Published Date 1965/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203592
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胃疾患の診断を行なうにあたつてレントゲン検査とともに胃内視鏡検査は日常の臨床に不可欠のものとして日ましに発展,普及しつつあり,両者を併用すればたがいにその短所を補ない合つてさらに効果をあげ,より正確な診断を行なうことができる.わが国における胃内視鏡検査の歴史は,すでに昭和初頭先人により開かれ,一部では重要な検査法としての地位を確立したが,戦前,戦後を通じてもつぱら用いられたWolf-Schindler型軟性胃鏡にはかなりの構造上の制約があり,そのため,だれでもが行なえるというわけには行かず,実施上なお多くの難点が認められた.
1950年にわが国で発明された胃カメラは著るしく柔軟性に富み,操作が簡単であるのと鮮明な画像が得られることから現在では広く普及している.しかし,胃カメラでは胃内の肉眼的観察が行なえず,撮影されたフィルムが現像されるまでは診断に充分な画像が得られたかどうかが分らない欠点がある.
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