Japanese
English
特集 血管外科
論説
塞栓症
Arterial Embolism
稲田 潔
1
,
寺本 滋
1
,
江草 重実
1
,
川本 精一郎
1
,
岩浅 茂夫
1
Kiyoshi INADA
1
1岡山大学医学部砂田外科教室
pp.1495-1501
発行日 1963年12月20日
Published Date 1963/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203215
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急性動脈閉塞症のうち,塞栓症(Embolism)はほとんどすべて後天性の心疾患,とくに僧帽弁疾患に基因するもので,従来は比較的稀なものとして,内外科いずれからもあまり問題とされていなかつた.しかし近年における僧帽弁狭窄症に対する外科的療法をけいきとする心臓外科の発展はめざましいものがあり,僧帽弁狭窄症の閉鎖的弁切開術(Closed method)はすでに一般外科の範疇にいれられるほど広く行なわれている.これに伴なつて本症に合併する塞栓症の発生頻度が少なくないことが判明し,手術適応,手術手技などに関して新らしい問題を提供し一般の注目をひくようになつた.著者らは先年僧帽弁閉鎖不全症に合併した大腿動脈塞栓症に対し,塞栓除去術を行ない良好な結果を得た1例1)を報告したが,その後さらに数例経験したので興味ある症例を中心として本症の診断,治療について述べてみたい.
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