特集 足の腱トラブル
後脛骨筋腱損傷・障害の診断と治療 後脛骨筋腱機能不全症(PTTD)を中心に
生駒 和也
1
,
城戸 優充
,
原 佑輔
,
今井 寛
,
牧 昌弘
,
大橋 鈴世
,
久保 俊一
1京都府立医科大学 大学院医学研究科運動器機能再生外科学(整形外科)
キーワード:
局所解剖学
,
骨切り術
,
重症度指標
,
後脛骨筋腱機能障害
,
腱移行術
Keyword:
Anatomy, Regional
,
Osteotomy
,
Severity of Illness Index
,
Tendon Transfer
,
Posterior Tibial Tendon Dysfunction
pp.82-88
発行日 2017年1月19日
Published Date 2017/1/19
DOI https://doi.org/10.18885/J00282.2017100468
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はじめに
後脛骨筋は足部および足関節の機能に重要な筋 であり,足関節の底屈および後足部の内返しを行 い,立位歩行時には足部内側縦アーチの動的支持 を担っている。 後脛骨筋腱は強靱な屈筋支帯に覆われており, 急性外傷で損傷されることは少ない。変性断裂は, 中年期以降の太った女性にみられることが多く, 歩行障害やADL低下の原因となる1)。腱の変性は, 腱鞘炎から縦断裂,完全断裂と進行し,後脛骨筋 の機能が低下することによって徐々に扁平足が進 行する。最終的に変形性足関節症を生じる2)。こ れが後脛骨筋腱機能不全症(posterior tibial tendon dysfunction;PTTD)である。本稿では, PTTDの診断・治療を中心に概説する。
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