外国文献
出血ショック,他
pp.1089-1094
発行日 1963年8月20日
Published Date 1963/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203145
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Ⅰ群イヌ出血して血圧60mmHg以下に90分おき,取つた血液を再びかえす.凝固は防いである.15頭のうち2頭だけ生きていたが永久生存はない(不可逆相).全例に腸管壊死巣多発.ショック期には,血清Na7〜12mEq/l低下,Kは2倍に上昇,血糖上昇,滲透圧は不変かやや低下,Ht低下,pH・TCO2・PCO2は低下した.さて不可逆相のイヌがこのような経過を取るので,出血させて不可逆相にして様々の治療を行つてみた,まずⅡ郡2.74%NaHCO3(332mEq/l)を出血低血圧と共に90分間注入.7頭のうち5頭永久生存.血清Na上昇,Kわずか上昇し直ちに復元.血清滲透圧上昇,PCO2・TCO2はⅠ群より高く正常域に維持された,腸管壊死(−).Ⅲ群1.8%NaClを前と同じ要領で注入.5頭すべて生存,Na上昇,K低下,滲透圧上昇,pH低下,イヌは過呼吸になる(Ⅰ群より著明).1.8%NaClは代謝アシドージスに関係ないようである,腸管壊死(−),肺気腫(+),Ⅳ郡,10%ブドウ糖注.6頭中4頭死,腸管壊死(+),眼震(+),アタキシア(+).Ⅴ群,等張食塩水注.6頭すべて死亡.所見Ⅰ群,に似る.いいかえると2.74%NaHCO3,および1.8%NaCl液治療で,血清滲透圧が他群の2倍に達したイヌは,組織破壊最も少く,よく急速に回復しえたということになる.
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