外国文献
出血ショックの薬物療法,他
pp.693-699
発行日 1962年7月20日
Published Date 1962/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202934
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遮断剤,副腎皮質ホルモン,昇圧剤のショックに対する効果はすでに多方面から研究され,賛否両論がわかれている.著者はイヌを脾剔し,2週後,股動脈にY管を入れて採血し蓄えつつ,血圧を40mmHgにおとす.出血速度は40〜60ml/min.血圧はそのまま1時間据えおく.ついで蓄えた血液を返して血圧70mmHg 30分.ここで管を閉じ血液の出入を全く止めて90分おく.ここで対照犬と実験犬とをわけ.いずれも5%糖点滴(500cc以下).蓄えた血液全部輸注.実験群はhydralizine0.4mg/kg 1回静注.hydrocortisoneは200mg 1回静注,ノルアドは150〜250μg/kg/h点滴の3群とする.実験終了後48時間生存しえたものをpermanent survi-vorとする.対照は全部死亡.Hydralazin群死亡11%,平均生存時間44時間,survivor89%.Hydrocorti-sone群死亡15%,平均生存時間38時間,survivor85%.ノルアド群8割死亡,平均生存時間11.5時間,つまり大出血のショックでも不可逆相発来前に与えると,hydralazinとhydrocortisoneとは生存時間を延長し,生存率をかなり高くすることができる.ノルアドは全く無効であった.
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