Japanese
English
論説
日本人小児の手部,足部骨格発育の正常像と骨格変異に関するレ線学的研究
Roentgenologic Study on the Skeletal Development and Skeletal Variant in the Hand and Foot of Japanese Children
杉浦 保夫
1
,
田島 宝
1
,
杉浦 勲
1
,
村本 健一
1
,
呉 文徳
1
,
野上 宏
1
,
伊藤 英雄
2
,
山田 順亮
3
Yasuo SUGIURA
1
,
Takara TAJIMA
1
,
Isao SUGIURA
1
,
Kenichi MURAMOTO
1
,
WenDer Wu
1
,
Hiroshi NOGAMI
1
,
Hideo ITO
2
,
Junkyo YAMADA
3
1名古屋大学医学部整形外科学教室
2豊橋市民病院整形外科
3長野赤十字病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya University School of Medicine
pp.39-67
発行日 1963年1月20日
Published Date 1963/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203012
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発育途上の小児の手部,足部骨格においては軟骨性骨端核および軟骨性骨核の骨化成熟過程が進行しており,そのレ線像は部位により,また骨化機転の進捗程度により,きわめて多彩な様相を示しており,その実態は必ずしも正しく理解されていない.したがつて正常発育過程中に観察される正常レ線影像が病的変化として取扱われたり,しばしば認められる骨格変異が,骨折その他の外傷性変化と誤診されたり,稀有変化として症例報告されたり,骨端炎その他の疾患と混同されたり,あるいは変異のすべてがMongolism等の全身性疾患の随伴症候と見倣されたりしている現況である.
このような誤解は,健康集団のレ線撮影に基いた骨格発育とその変異についての統計的調査,経年推移に関する研究が今まで十分行なわれておらず,病的変化判定の前提となるべき正常レ線像とその変異に対する正しい知識が不十分なために生じたものと考えられる.
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