Japanese
English
薬剤
ヒナルゴン・リニメントの使用経験
Clinical Experiences on Finalgon Liniment
副島 義彦
1
Yoshihiko SOESHIMA
1
1九州大学医学部整形外科教室
pp.143-146
発行日 1961年2月20日
Published Date 1961/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202714
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Ⅰ.緒言
諸種慢性関節痛症に対するヒナルゴン軟膏療法は,先に発表したように(臨床外科,第11巻,第10号),その疾患の初期においては相当の効果が期待出来たが,なお陳旧例,特に運動障害,高度の症例にては十分でなく,また塗布後の灼熱感あるいは皮膚粘稠感等,比較的な欠点として認められたのであるが,ここに再びヒナルゴン・リニメントとして(田辺製薬提供)これら関節痛症に対する臨床上の検討を試み,またその主成分であるNonylic acid,VanillylamideおよびNicotinicacid-β-butoxyethylesterの薬理作用から,本剤が塗擦部分の静脈血およびリンパの還流を促進し,あるいは動脈血の輸入を昂進せしめ,あるいは筋肉,腱,神経等を刺激するなど,その治療対象組織に与える作用が甚だ大であるのに鑑み,外傷後の筋力回復,関節機能の改善の目的で,若干の症例についての使用経験を得たのでここに報告する.
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