Japanese
English
特集 片頭痛の治療-トリプタン製剤の比較-
2.トリプタンの使用経験
Triptans in Migraine:From Clinical View
間中 信也
1
Shinya Manaka
1
1温知会間中病院
1Manaka Hospital
キーワード:
triptan
,
migraine
,
nonresponder
,
preference
,
allodynia
Keyword:
triptan
,
migraine
,
nonresponder
,
preference
,
allodynia
pp.739-745
発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406100332
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はじめに
片頭痛治療はセロトニン5-HT1B/1D受容体作動薬であるトリプタン系薬剤(以後,トリプタン)の登場により一新した1)。世界では現在スマトリプタン(sumatriptan),ゾルミトリプタン(zolmitriptan),エレトリプタン(eletriptan),リザトリプタン(rizatriptan),ナラトリプタン(naratriptan),アルモトリプタン(almotriptan),フロバトリプタン(frovatriptan)の7種類のトリプタンが使用されている。本邦では諸外国に遅れること10年を経て2000年4月にトリプタン皮下注射が使用認可され,2001年に経口薬も市販された。2004年5月現在スマトリプタン,ゾルミトリプタン,エレトリプタン,リザトリプタンの4種類が承認され,錠剤,口腔内速溶錠(RM)・崩壊錠(RPD),点鼻液・皮下注射液の4剤形,のべ8製剤が使用可能となった(表1)。これによって,本邦でも患者のニーズにあった薬剤が選択可能となり,本格的な片頭痛治療が可能となった。トリプタンは,種類を問わず,片頭痛急性期治療において高い有効性とエビデンスレベルを誇り,米国神経学会の片頭痛治療ガイドライン2),日本の神経学会の慢性片頭痛ガイドライン3)のいずれでももっとも推奨される治療薬に位置づけられている。本稿は,第31回日本頭痛学会総会(2003)で発表した筆者のトリプタン使用経験をもとに,これまでの文献報告を総括してトリプタンの選択と使用の実際について解説する。
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