Japanese
English
綜説
胃・十二指腸潰瘍に対する胃体部帯状切除の小経験
Experience with Segmental Gastric Resection for Peptic ulcer
真鍋 欣良
1
,
梶谷 勤
1
Sigeyosi MANABE
1
,
Tsutomu KAZITANI
1
1広島大学医学部第一外科教室
1Department of 1st Surgery, School of Medicin, Hirosima University
pp.899-904
発行日 1960年11月20日
Published Date 1960/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202669
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まえがき
胃体部帯状切除をはじめに行つたのはMikulicz1)で,胃潰瘍の治療に用いたがその成績は余り芳しくなかつた様である.此の術式が文献上に最初に現われたのはRiedel2)(1909,1912)の報告したものであつて,彼はこれを同じく胃潰瘍患者に行つておる.そしてPayr3)(1909,1910),Bier4)(1910)が相次いで此の術式を推奨し,1912年頃5)には特にドイツに於いて多大の支持を得るようになつた.
然しその後再発が時に見られ6-8)胃の吻合部が砂時計状収縮を呈して障害を残し,内容の通過が遅延する等の理由のために潰瘍治療法としての此の術式は次第に行われなくなつた.そして1950年Wangensteenが再び此の胃体部帯状切除術を復活採用するまで凡そ30年余り,殆んどその影を潜めていた.尚此所で述べる胃体部帯状切除とは稍々趣を異にするが,同じく胃酸分泌の減少を図ることを目的としたfundusectomy(Connell9)1929)やtubular resection(Wangensteen10)1940)が胃体部部分切除の術式として文献に報告されたのは此の間である.
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