Japanese
English
綜説
肺切除術後における遺残腔の形態的観察ならびに臨床的意義
Morphologic study on the residual cavity after pulmonary resection and its clinical significance
滝原 哲一
1
,
原田 邦彦
1
,
兼松 晴美
1
Tetsuichi TAKIHARA
1
,
Kunihiko HARADA
1
,
Harumi KANEMATSU
1
1徳島大学医学部第2外科
1Department of scond Surgery, School of Medicine, Tokushima University
pp.389-394
発行日 1960年5月20日
Published Date 1960/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202587
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まえがき
肺切除術後は切除肺の元来占めていた空間が遺残腔となるが,残存肺や胸膜の状態に応じて,air leak,後出血,胸膜炎等が種々の程度に起ると遺残腔に空気,血液,滲出液の貯溜等を伴い,遺残腔は元来切除肺の占めていた空間とはその大きさ,形態等を異にした状態で認められることが多い.従つて臨床的にしばしば問題となるのは,比較的大きい遺残腔が永く残つて,容易に縮小しないで,(1)術後肺合併症,殊に膿胸あるいは気管支瘻等を併発する場合,(2)術後肺機能の低下を伴う場合の2点である.
依つて先ず前者に関連して,肺切除術後の臨床経過に従つて遺残腔の形態的観察を試みた.
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