Japanese
English
綜説
日本に於ける肺切除の合併症
On the conplications followed by resection of the lungin Japan
高橋 雅俊
1
,
永井 純義
1
,
久米 公夫
1
,
上野 茂之
1
,
村田 年男
1
,
桝岡 勇雄
1
,
最上 修二
2
1東京医科大学外科
2国立宇都宮療養所
pp.477-487
発行日 1958年6月20日
Published Date 1958/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202191
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緒言
肺結核に於ける肺切除療法は戦後の麻酔学の導入と化学療法の進歩によつて安全性が高まると共に次第に増加して今日に至つている.
然しその当初に於いては,これ等の知識に乏しく,且つ適応の判定,手術手技に関しても不充分な点が多く,その為に合併症の頻度が高かつたが,最近では手術に対して一貫した方針のもとに治療が行われる様になり合併症も著しく減少したが,尚お或る程度までの合併症を防止することが出来ない現況である.これはひとり我国のみの現象ではなく,諸外国でも同様であるが,我々外科医の立場からその原因を究明し,合併症を根絶することが今後の肺結核外科にたづさわるものに課せられた重要な任務であろう.先ずこの問題を調査するに当つて,胸部外科を行つている全国の各大学並びに療養所97施設よりアンケートを求め,貴重な資料を提供して戴くことが出来たので,本邦に於ける肺切除の合併症の実態を伺うことが出来た.従つてその対策を樹てる為に,皆様方の資料を茲に報事告する.尚細部の問題に就いては当外科教室並びに関係病院で取扱つた1000例を対照として論述する.
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