Japanese
English
綜説
頭部外傷後遺症患者の労働障碍について
Labour-disturbance for posttraumatic Eucepha-lopathy
加藤 貞三郞
1
,
川井 一夫
1
,
金田 秀
1
,
渡辺 三郞
1
Teizaburo KATO
1
,
Kawai KAZUO
1
,
Syū KANEDA
1
,
Saburo WATANABE
1
1中部労災病院外科
1Surgical Section,Tyūbu Rosai Hospital
pp.329-332
発行日 1958年4月20日
Published Date 1958/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202169
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緒 言
頭部外傷患者は累年増加の一途を辿り,又頭部外傷者数に対する後遺症者の発生率も年々増加している.之の後遺症の為に長年労働出来ない事は本人家族は勿論,国家社会にとつても重要な問題である.元来頭部外傷後遺症の基本型とも言われるものは,頭痛,眩暈と心身活動能力の低下を主徴とせるもので之は病巣の明らかな場合と異り診断と治療が非常に困難で,斯るものをFriedmann(1892)はvasomotorischer symptomenkomplexとして記載し,Försterはposttraumatischescerebrales allgemeinsyndromと述べた.即ち斯る例は従来の神経学的検査で客観的所見が見付からないからと言つて直ちに労働能力に余り障碍が無いと言う何らの証拠にならない.又Neuroseとの判明も明らかでない.そこで私達は斯る症例に就いて客観的所見を見出す為色々の検査を行い労働障碍となる脳病の所見的を幾分知り得たと老える.今回は気脳写及び血管像より主として検討を加えた.
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